概要と文の論理を追うことに意識を向ける

日本の英語教育の問題点とは

日本の英語教育では、中学・高校と6年間勉強したとしても、教科書やサイドリーダー、さらに受験勉強を加えても、その英語の量は決して多いとはいえない。

また、日本でのリーディングは、一語一句日本語に訳すというプロセスが重視されてきた。辞書を手元において、わからない単語や熟語が出たらその意味を調べ、文型や構文を見極めながらじっくりゆっくり進めていく方法である。

英語に触れる絶対量が少ない上に、こうした読み方を続けていては、”使える”英語力は身につかない。それどころか、英文を読むイコール和訳するという意識が植え付けられてしまい、英語力を高める弊害にすらなっているのではないだろうか。

概要をつかむことに意識を向ける

こうした読み方は、専門知識を学ぶときに読む場合であったり、他人の意見を分析したりといった精読の場面で有効である。ただ日常生活においては、雑誌や新聞などを読むときなど日本語でもざっと斜め読みをして大まかの意味をつかむようにしているはず。だから、英語においてもまずはそうした概要と文の論理を追うという読み方を学ぶべきではないだろうか。

その時に大事なことは、英文を書いた人がどういった情報や感情、考えを述べて、読み手とコミュニケーションしようとしているかを掴もうとすること。一字一句にとらわれていては、なかなか意識が向かないところでもある。

英文を前にしたら、各段落の概要を掴みながら、どのようなトピックになっているかテンポよく読んでいくようにしてみる。わからない単語があったとしても、いちいちそこで止まらないようにする。すべての単語がわからなくても、既に知っている単語だけでもおおまかな意味は掴めることは意外と多い。

そのような少し軽い意識で多読の経験を積んだほうが、英語勘のようなものを養うのにも有用であると思う。

 




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