「読む」「聴く」をバランスよくインプット

英語学習において、英語を都度日本語に訳してから理解しようとする癖があると、読解スピードが遅くなり、実用的な力がなかなか身につかないと言われています。英語を英語のまま理解できるようになるためのステップと、読解・音読のトレーニング方法について解説します。

英語を読むときの基本的な理解の土台

英語を読んだときに、日本語に訳してから意味を考えたり、返り読みを何度も繰り返したりしている状態では、まだ英語を十分に理解できているとは言えません。この段階では、リスニングにおいてもナチュラルスピードの英語にはついていけないことが多いです。

まず大切なのは、英単語のスペル・発音・意味が頭の中でしっかり結びついていることです。この3つが結びついていないと、読むたびに意味や発音を確認する必要があり、スムーズな理解には至りません。そのため、読解教材に加えて音声教材を活用し、「読む」と「聴く」を同時にトレーニングすることが効果的です。

近年では、読解教材にリスニング用の音声(CDや音声配信)がセットになっているものが多く市販されているので、こうした教材を積極的に活用することで、より効率的に英語力を伸ばすことができます。

音読トレーニングで英語を英語のまま理解する

英語を英語の語順のまま理解する力を養うためには、音読のトレーニングが非常に有効だと言われています。同じ英文を何十回も繰り返し音読することで、語順や構文が脳に定着していき、英語をいちいち日本語に訳すことなく処理できるようになっていきます。

音読の際には、音声教材を聞きながら、発音やイントネーションをそっくり真似することを意識しましょう。特に効果的なのが「シャドーイング」という練習法です。これは、英語の音声を聞きながら、少し遅れてそのまま発音していく方法です。最初のうちは英文を見ながらでも構いませんし、自分の声で音声がかき消されないように小声で練習するのもおすすめです。

繰り返しシャドーイングを行うことで、英語の音やリズムに自然と慣れ、聞き取れる音も増えていきます。これはリスニング力の向上にも大きく貢献します。

リーディングとリスニングの相乗効果を活かす

読解力とリスニング力は密接に関係しており、どちらか一方に偏るのではなく、両方を意識して鍛えていくことが理想的です。読解力が高まれば、聞いた英語を構造的に捉える力が養われ、リスニングにも強くなります。また、リスニング力が高まれば、音と意味を同時に処理できるようになり、読むスピードも自然と上がっていきます。

このように、リーディングとリスニングを組み合わせて学習することで、効率よくインプットの質と量を高めることができます。

アウトプットにつなげるために

読解と音読を繰り返すことで、語彙・構文・発音の土台がしっかり身につきます。こうしたインプットがあるからこそ、ライティングやスピーキングといったアウトプットの力も伸ばしやすくなります。

つまり、読んで理解し、聴いて再現し、声に出して定着させるという学習プロセスは、英語を「使える知識」として蓄積するための重要なステップとなります。

日々の学習に読解と音読の習慣を取り入れ、英語を英語のまま処理できる力を少しずつ育てていきましょう。それが、実践的な英語力を築くための近道となります。

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