リスニングは重要部分を聞き取る練習を

日本の英語教育とリスニング力の課題について

日本の英語教育の問題点として、長年指摘されているのが「リスニングを軽視してきた」という点です。中学・高校で6年間英語を学んでいても、英語が聞き取れず、実践的なコミュニケーションに苦手意識を持つ方が非常に多いのが現状です。

ネイティブのスピードについていけない理由

日本人が英語のリスニングを苦手とする大きな理由の一つは、ネイティブスピーカーが話す自然なスピードについていけないことにあります。教科書の英語に慣れてしまうと、実際の英会話が「速すぎて何を言っているのかさっぱりわからない」と感じるのも無理はありません。

日本人向けのリスニング教材には、初心者向けとして一語ずつはっきり発音されたものや、非常にゆっくりとしたスピードで話されているものが多くあります。もちろん、初期の段階ではこうしたゆっくりとした音声で英語の音に慣れることは大切です。しかし、それだけでは英語特有の「音の連結(リエゾン)」や「消失音」、「イントネーション」などには対応できるようになりません。

実践的なリスニング力を養うためには

英語を実際に使えるようになりたいのであれば、ネイティブのスピードに慣れるだけでなく、会話の中で何が重要な情報であるかを瞬時に聞き分ける力が必要になります。すべての単語を一語一句聞き取ろうとするのではなく、「キーワードとなる語を拾い、全体の意味を推測する」というリスニングスタイルを身につけることがポイントです。

そのためには、実際のニュース番組、映画、ポッドキャストなどを活用して、リアルな英語のリズムやスピードに日常的に触れるようにすると効果的です。教材としては、英語字幕付きの動画やスクリプト付きの音声教材を活用するのも良い方法です。

リーディング力とリスニング力はつながっている

リスニング力を向上させるためには、英語を「語順通りに理解する」力が必要です。英語と日本語では語順が大きく異なるため、日本語の感覚で訳しながら英語を聞いていると、内容をリアルタイムで理解するのは難しくなります。

その点で、英語の文章を頭から順に理解する「スラッシュリーディング」や「チャンクリーディング」といった読み方の訓練を行うことは、リスニング力の向上にもつながります。英文を英語の語順で処理できるようになると、耳から入ってくる情報を処理するスピードも格段に上がります。

また、リスニング中に出てきた語彙や表現を、読書やリーディング教材の中で再確認することで、語彙の定着も促されます。リスニングとリーディングをセットで行うことで、相乗効果が期待できます。

リスニングで英語力を強化

日本の英語教育では、これまで「読む・書く」に重きが置かれすぎてきた結果、実際に「聞く・話す」力が育ちにくい状況が続いてきました。これから英語を実践的に使えるようになりたいと考えるのであれば、リスニングへの取り組みを強化することが不可欠です。

ネイティブの自然なスピードに慣れ、重要な情報を聞き分ける力を身につけること。そして、リーディングと組み合わせて、英語を語順通りに処理できる力を育てることが、英語学習の鍵になります。

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