日本の英語教育の問題の一つとして指摘され続けているのが、リスニングを軽視しすぎてきたという点。日本人の多くが英語ができない理由には、そもそもネイティブが英語で話しているスピードについていけず、まったく話を理解できないことが多くを占めている。
日本人向けのリスニング教材も、初心者向けのものは単語帳とセットで一語ずつ発音されているものや、文章であっても非常にゆっくりのスピードで、一言一句分かるように録音されているものが多い。
もちろんゆっくり聞き取る訓練も重要なステージはあるけれど、これでは日本語にない英語の音の聞き取りや、英語に特徴的な音のつながり(連音)を聞き取れるようにはならないという問題もある。
英語を使えると言えるレベルを目指すのであれば、ネイティブのスピードに慣れて、かつ、話しの中で重要な部分を瞬時に聞き分け、必要な情報をもとに話し手の言っていることを理解する、という訓練が必要になる。
話の全体的な流れの中で重要な部分と、それを支える補足的な部分を聞き取れるようにするには、英文の読解力も重要になる。英語の場合は日本語と語順が異なるので、リーディングでもセンテンスの頭から順に英語として理解していけるうように訓練をしていくと、リスニング力アップにも繋げることができる。