英語を英語のまま理解する訓練

これまでの学習で「英語を日本語に訳すこと」を基本としてきた方も多いのではないでしょうか。一語一句を丁寧に日本語に置き換える作業は、文の構造を深く理解する上では役立ちますが、実際のコミュニケーションの場面では、少し違ったアプローチが必要になります。

通訳や翻訳のような専門職を目指す場合を除けば、英語を英語のままスムーズに処理できる力は、会話のテンポを保つための心強い武器になります。今回は、その「英語脳」に近づくための具体的な訓練方法について整理しました。

翻訳プロセスの「タイムラグ」を減らす

英語を一度日本語に訳してから理解しようとすると、どうしても脳内での処理に時間がかかってしまいます。日常のゆっくりした会話ならまだしも、会議やディスカッションといったスピード感のある場面では、そのわずかな「タイムラグ」が原因で会話の流れを見失ってしまうケースも少なくありません。

英語の語順通りに内容を掴めるようになると、情報の取り違いといったミスも減り、より自然なやり取りが可能になると言われています。まずはこの「訳さずに捉える」感覚を少しずつ養っていくことが、上達の鍵になります。

「只管朗読(しかんろうどく)」による回路作り

英語をそのまま理解する力をつけるには、すでに意味や構造を理解した「やさしい英文」を、大量に、そして繰り返し脳に送り込むことが効果的だとされています。その代表的な方法の一つが、同時通訳の第一人者である國弘正雄氏が提唱した「只管朗読(しかんろうどく)」です。

具体的な取り組み方のポイントは以下の通りです:

  • 回数を重ねる:同じ英文を30〜50回ほど繰り返し朗読してみる。
  • 「朗々と」声に出す:単に音にする(音読)だけでなく、意味を噛み締めながら、感情を込めて読み上げる。
  • イメージを重ねる:字面だけを追うのではなく、そのシーンや状況を頭に描きながら英語を口に乗せる。

こうした反復練習を続けることで、英語の語順やリズムがそのまま脳に馴染んでいき、いちいち日本語を介さなくても意味がスッと入ってくるような感覚が育っていくと言われています。

英英辞典で「パラフレーズ」に挑戦する

さらにもう一歩踏み込んでみたいときにおすすめなのが、英英辞典を使った言い換え(パラフレーズ)の練習です。たとえば、”generous” という単語を調べたときに、日本語の「気前のよい」という訳語を覚えるだけでなく、以下のように英語での説明を読んでみます。

generous:
“someone who gives freely or is kind to others”

このように、「英語を別の英語で説明する」習慣がつくと、語彙の幅が広がるだけでなく、たとえ特定の単語を忘れてしまっても別の言葉で補う力がつきます。これもまた、英語を英語のまま処理する回路を強くするのに役立つトレーニングです。

日本語を介さずに英語を理解する力は、英語をより自由に、道具として使いこなすための大きな力になります。まずは馴染みのある英文を「ひたすら朗読」するところから、自分なりのペースで「英語脳」の土台を作っていきましょう。

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