日本語を介さずに英語を理解するということ
学校での英語の勉強は、常に英語を日本語に訳すという形で行われてきた。そのため、一語一句日本語に訳すことが英語を理解することと思われがちだが、英語でのコミュニケーションの場合は、通訳や翻訳の仕事をする場合を除いて、日本語を介さずに英語を英語のまま理解するということがとても重要になる。
いちいち日本語を介すと、読解や聞き取りのスピードはガクンと落ちてしまう。カジュアルな場での会話ならそれほど支障がないかもしれないが、商談の場や会議での議論をしている時なら英語のスピードについていけないというのはコミュニケーションに齟齬をきたしてしまう。
英語を英語で理解できるようになる方法
英語を英語で理解できるような脳の回路を作る方法の一つとして、やさしい英文を大量に処理して、いわゆる英語脳を作っていくトレーニングというのがある。あえて訳さなくても意味がわかり、かつどのように発音するかもわかっている英文を、何度も音読して脳にインプットしていく。数回で終わらせるのではなく、30~50回程度繰り返すことが理想的と言われている。
この時重要なのは、何も考えずに字面を追うのではなく、英文の構造と意味をしっかり把握している状態で何度も繰り返して記憶してしまうということ。そして黙読ではなく必ず声に出すようにすること。只管(しかん)音読といって、音読による振動音は、脳の学習記憶回路を開く効果があるという。
このトレーニングを繰り返していくことで、英語の回路が構築されるようになっていく。慣れてきたら、読み込んだ英文に出てくる単語や熟語を、別の英語で説明できるよう英英辞典の定義もインプットするようにしてみる。英語のパーツを別の英語のパラフレーズすることで、ボキャブラリーの引き出しが増え、英語を母語として話す人と、よりコミュニケーションしやすくなる。