英語習得の最初のステップ「リスニング」

英語にかぎらず、言語を学ぶ際には、発話音を繰り返し何度も聴くことが大切な最初のステップとされています。

私たち日本人は、日本語の音韻ネットワークが脳の中に形成されていて、日本語として存在する音を聞けば、それを言語として自然に認識できる状態になっています。

しかし、英語では日本語と異なる周波数の音や子音が多く使われているため、日本語の音に慣れた私たちは、英語の音をうまく聞き取ることが難しいと言われています。これは、英語の音を言語として認識するための神経ネットワークが、脳内にまだ形成されていないことが理由とされています。

英語の音を徹底的に聴く

それでは、どのようにすれば英語を聞き取れるようになるのでしょうか。それは、英語の音を徹底的に聴く訓練を行うことです。実は、これが多くの日本人学習者にとって最も不足している部分でもあります。

かつて、「聞き流すだけで英語が聞き取れて、ペラペラ話せるようになる」といった教材が話題になったことがありましたが、実際には十分な効果を得るのは難しいと言われています。なぜなら、ただ聞き流すだけでは、英語の音は脳にとって単なる生活音や雑音のようにしか認識されないからです。日本語であれば、自然に意味を持った言葉として理解できますが、英語は単なる「音」にしか聞こえない状態のままです。

まずは、英語の音を意識して聴くことが重要です。漠然と聞くのではなく、実際に耳に届いている音にしっかりと意識を向ける作業を一定時間続けることで、少しずつ英語の音を言語として認識できるようになると言われています。

取り組みやすい方法のひとつは、海外のテレビドラマや映画を英語音声・英語字幕で視聴することです。吹き替えではなく、英語そのものに耳と目を向けてみましょう。

このようなトレーニングを数時間行うだけでも、「英語が聞こえる感覚」が少しずつ変わってきたと実感できるはずです。脳が日本語以外の言語の音も「意味のあるもの」として認識し始めるためだと考えられています。

英語の音を認識できるようになる段階では、まだ意味が完全に理解できなくても問題はありません。和訳して考える必要もありませんので、英語の音を英語として脳に取り込むためのトレーニングだと考えて、ひたすら音に集中するようにしてみてください。続けていくうちに、少しずつ効果を実感できるようになっていくかと思います。

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